訪問歯科とは?
訪問歯科とは、要介護認定を受けているような通院が困難な患者さまに対して、歯科医師や歯科衛生士がご自宅や施設に訪問して治療を行なうことを言います。介護認定をお受けになっておられないケースで通院が困難な場合は、個別判断となりますのでご相談ください。
診療内容の例
- 虫歯や歯周病などの一般歯科治療
- 入れ歯の作成、不具合の調整や修理
- お口環境のケア(歯磨き支援、歯垢や歯石除去など)
- 摂食嚥下障害のリハビリ
※摂食嚥下障害…食べ物を口に入れ、飲み込み、消化吸収するという一連のプロセスに関する機能障害
訪問歯科のメンバー構成
歯科医師、歯科衛生士、コーディネーターの3名を基本として訪問させていただきます。
コーディネーターとは?
コーディネーターは、事務手続きなどで医師と患者さまとの間を取り持つ役割を果たします。患者さまご本人だけでなく、ご家族などご依頼者さまの立場に立って、よりスムーズな治療が行なえるようにサポートさせていただきます。直接的に医師や歯科衛生士に言いにくいことについても、お気軽にコーディネーターにお話しください。
ホワイトデンタルグループの理念と共に
当院「南大沢歯科医院」は、ホワイトデンタルグループの理念に沿って、「高齢化社会の中の健康と生きがい作り」に対し、歯科医療の立場から貢献することを目指しています。
この一環として「訪問歯科診療」を実施しており、足腰が不自由で歯医者さんに通うことが困難な患者さまや、歯科医院がエレベーターのない建物の2階にあるなどの影響で通院を諦めてしまった患者さまなどに「こぼれ落ちることのないサポート」をさせていただいております。
定期的なケアや診断が不可欠な理由
誤嚥性肺炎にかかりやすい
誤嚥性肺炎とは、食物や液体が食道ではなく気管内に入り込んでしまい、肺の中で細菌感染が起こり炎症を生じてしまう症状のことです。
高齢者は誤嚥を咳反射で跳ね返すという機能が弱っていることが多く、この症状を患いやすいことから老人性肺炎とも言われています。
現在、国内では誤嚥性肺炎による炎症を減らしていく試みとして訪問歯科に注目が集まっています。
誤嚥性肺炎のメカニズム
誤嚥性肺炎は、飲み込む力や反射的に咳をする機能が弱ることに加え、飲み込んだ際に器官への入り口に蓋をする機能が衰えることで起こります。
食べ物や飲み物を誤って器官に送り込んでしまった時に咳ができなくてそのまま細菌感染の原因を作ってしまったり、器官への入り口が正しく閉じられないためにお口の中の細菌や逆流した胃液が気管に入ってしまい、肺の中で炎症をもたらすといったメカニズムになっています。
誤嚥が日常的に頻発すると、熱もあまり出なくなり肺炎との区別が難しくなっていきます。また、お食事中だけではなく、寝ている間に発症することもあり、高齢者の場合は命にかかわるケースも少なくありません。
誤嚥性肺炎の特徴と怖さ
誤嚥性肺炎の特徴
- 高齢者に多く発症しやすいものである
- 再発を繰り返す傾向がある
誤嚥性肺炎の怖さ
- 抗生物質治療を行なっても、繰り返されることで耐性菌が形成され、治療効果が弱くなってしまう
- 優れた抗生物質でも抵抗物質が作られてしまうため、高齢者の死因の上位に位置する
誤嚥性肺炎の改善を目指して
誤嚥性肺炎の予防法
- 歯磨きを毎日丁寧に実施し、お口の中の細菌自体を減らす
- 食後に一定時間座ってもらい、胃液の逆流を防ぐ(すぐに横にならないようにする)
- 歯茎マッサージを実施し、「嚥下反射」の改善を狙う
嚥下反射(えんげはんしゃ)とは?
嚥下反射とは、食べ物や飲み物をを飲み込む際に、反射的に器官に蓋をする働きのことです。
ポイントは、「お口の中の清掃」と「機能回復」の両面に配慮することです。具体的には次のように「器質的口腔ケア」と「機能的口腔ケア」に分けて考え、誤嚥性肺炎の予防を目指します。
- 器質的口腔ケア…うがい、歯磨き、歯のクリーニングなどでお口の中の細菌を減らす処置
- 機能的口腔ケア…口腔周囲筋の訓練、嚥下反射訓練、咳嗽訓練(咳の訓練)など
訪問歯科の流れ
お電話でのご予約
訪問歯科のお申し込みはお電話にて承っております。患者さまご本人だけでなく、ご家族、介護者の方からでもお申し込みいただけます。
ご予約先電話番号:TEL:0120-118-117
訪問日時の決定
患者さまやお申込者のご希望に沿う形で訪問日時を調整して決定いたします。
ご訪問
歯科医師・歯科衛生士・コーディネーターの3名で、お約束の日時にご依頼先(ご自宅や患者さま施設)までお伺いします。診察を行ないながら患者さまのご希望を取り入れた治療計画を策定します。
治療開始
治療計画に沿って治療をスタートします。
治療終了
治療後もご安心いただけるように、アフターケアについてご説明いたします。
定期検診によるサポート
お口環境の健康維持を目指し、治療後も定期検診や口腔ケアを通してサポートさせていただきます。
訪問歯科が実施可能なエリア(各医院より16km圏内)
訪問歯科の対象エリアは、次のホワイトデンタルグループ所属の各医院より半径16km圏内とさせていただいております。それぞれ住所を掲載させていただきますが、分かりづらい場合はお問い合わせ下さい。ご希望先の住所を伺い、対象エリアかどうかをご回答させていただきます。
ホワイトデンタルグループの各院所在地
[中野院]ホワイトデンタルクリニック
〒164-0003 東京都中野区東中野3-8-13 MSR東中野ビル2F
[葛飾院]久保田歯科クリニック
〒125-0042 東京都葛飾区金町6-10-10 ルックハイツ金町1F
[さいたま院]ホワイトデンタルクリニック
〒330-6001 埼玉県さいたま市中央区新都心11番地2
明治安田生命さいたま新都心ビル ランドアクシスタワー1階
[八王子院]南大沢歯科医院
〒192-0364 東京都八王子市南大沢2-28-1 イトーヨーカドー南大沢店4F
[相模原院]ホワイトデンタルクリニック
〒252-0231 神奈川県相模原市中央区相模原1-1-3 セレオ相模原2F
Q&A
どのような形で診療するのでしょうか?
ポータブルユニットなどの資器材を持ち込んで診療いたします。ご指定の場所(部屋)や病室でも診療が可能で、車椅子や寝たきりの場合でも対応させていただきます。
どのような治療が受けられますか?
治療については訪問用のコンパクトな診療機器を搬入して実施します。基本的には歯医者さんと同質の治療が受けられますが、介護度合いによっては院内と同じような治療が難しいケースもあります。具体的にお問い合わせいただければ、個別にご回答いたします。
訪問歯科を受けられる人、受けられない人などのルールはございますか?
基本的に要介護認定をお受けいただいている方で、寝たきりやそれに準ずる方が対象です。ただし、絶対的なルールではございませんので、最終的に歯科医師の判断に委ねられています。ご事情を含めお気軽にご相談ください。
治療時間はだいたいどのくらいですか?
一般的には、20分~30分程度です。治療内容によっても多少異なります。
初めての利用で不安なのですが…。
初めてご利用いただく際は、無料検診をご活用ください。歯科医師と歯科衛生士が治療希望患者さまのお口環境を診させていただき、治療の必要性や治療プランをご判断させていただきます。治療が必要だと思われる場合は、治療期間や費用面の説明も実施します。ご納得の上で治療をスタートするという医療モラル「インフォームドコンセント」を重視していますので、まずは無料検診をお受けください。
どの地域まで訪問してもらえますか?
ホワイトデンタルグループ所属の各院より、半径16km以内であれば訪問させていただきます。
診療はデイサービス中でも実施できますか?
デイサービス中の診療はできません。デイサービスの終了後など、各自ご調整の上でご依頼ください。
自宅以外の場所で来てもらいたいと思っているのですが…。
ご自宅以外でも、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・有料老人ホーム・グループホームなどの訪問が可能です。また、ご入院中の病院でも診療科目に歯科や口腔外科のない場合は訪問させていただきます。
病院や施設に来てもらう場合も直接電話すれば良いのですか?
まずはご希望をお伺いいたしますので直接ご連絡ください。病院や施設の方との打ち合わせも必要ですが、それはご依頼をお伺いしてからこちらの方で調整させていただきます。
訪問診療を受ける際に用意しておくべきものをお教えください。
治療をお受けになる患者さまの健康保険証、介護保険証、お薬手帳などをご用意ください。
最近入れ歯が落ちやすくなったのですが…。
数回程度調整させていただくことで使いやすくすることができます。
歯が抜けてしまって入れ歯が合わなくなったのですが…。
お使い中の入れ歯に対し、歯の数を増やす「増歯加工」で対応できるケースがあります。状況により、新規の入れ歯作成をオススメする場合もあります。
入れ歯を無くしてしまい困っています…。
約1ヶ月の期間を見ていただければ新規の入れ歯を作成することが可能です。
最近食事に時間がかかるようになってきたのですが大丈夫でしょうか?
無料検診をオススメいたします。検査結果をもとに治療や口腔ケアの必要性をご案内させていただきます。
歯が痛いわけではないのですが来てもらえますか?
もちろん可能です。お口の中をキレイにしておくことは、高齢者の場合は特に重要です。歯や入れ歯のお掃除、検診だけでも伺わせていただきます。
抜歯した後は入浴できるのでしょうか?
治療で抜歯を行なった場合は入浴をお避けください。無理に入浴すると止血が困難になる場合があります。通常、治療で抜歯予定がある場合は、連絡ノートへの記載とお電話の両方で担当ケアマネージャー様にご連絡させていただきます。
時間の指定はできますか?
基本的にご依頼者さまのご希望を第一に優先させていただきます。ただし、治療の質とコミュニケーションの観点で、最初から最後まで同一の歯科医師が担当させていただきます。このため若干の日時調整なども考えられます。週に一度、同一曜日の同一時間に伺う形が一般的ですので、これを元にご希望日時をご相談ください。
治療に要する期間はだいたいどれくらいでしょうか?
「重度虫歯」のケースでは、治療回数が平均6回程度となります。「義歯や入れ歯の作成」では、平均的に10回程度が目安です(型取りから完成まで平均4~5回、その後ご調整期間など)。ご本人の体調不良や治療内容の変更などは柔軟に対応させていただきます。
毎回予約をする必要があるのでしょうか?
いいえ、一度治療がスタートした後は、治療を終えるまで同じ曜日・同じ時間で治療させていただきます。逆に設定日時でご予定が入った場合などは、お早めにご連絡ください。
入院中に利用し、退院したような場合はどうなりますか?
歯の治療が終わる前にご退院(転院)されたようなケースでは、ご自宅(転院先)などにお伺いして歯の治療を継続させていただきます。
レントゲンを撮ることも可能でしょうか?
現在準備中ですのでお電話でご確認ください。
急患の場合でも予約しなければならないのでしょうか?
強い痛みなどが生じているケースでは、平日の営業時間内(10時~18時)でしたら迅速に対応いたします。できるだけ早く治療できるように現場スタッフと連絡を取り、即日~48時間以内に訪問します。
認知症や感染症であっても訪問歯科でご対応可能でしょうか?
はい、認知症患者さまであってもスタッフ一同責任をもって対応いたします。介護についての勉強会なども実施していますのでご安心ください。感染対策としては、滅菌・消毒などの十分な衛生管理を実施しています。
お支払いのタイミングなどは決まっていますか?
基本的にご利用者さまの都合の良い時で結構ですが、レセプトの関係もあり、当院は毎月10日以降にご請求書を発行しています。
治療費について教えてください。
基本的には保険診療となっています。老人保健の場合は、自己負担割合が1割もしくは2割です。全医療機関の合計金額で月額上限12,000円までが自己負担額となります。
お薬の処方もあるのでしょうか?
ご本人さまの担当医と相談させていただき、必要に応じて鎮痛剤や化膿止めを処方するケースもあります。
体調が悪くてキャンセルしたい場合はどうすれば良いのでしょうか?
ご本人さま、ご家族さま、もしくは担当ケアマネージャーさまからご連絡ください。次週に回す形で臨機応変に対応させていただきます。
次回来ていただくまでに何かしておくべきことはありますか?
お口環境を維持していただきたいので、ご自身でブラッシングをしたり、介護者さまなどのご協力も進んでお受けください。誤嚥性肺炎などの予防のためには、お口環境をキレイに保つことが重要です。現場で歯科衛生士からも実地指導させていただきます。
担当歯科医師は代わることがないのでしょうか?
訪問歯科の担当歯科医は、訪問歯科診療についてのプロフェッショナルだとお考えください。訪問歯科診療というものについて十分な知識技術と経験がございます。ただし、利用者さまからのご要望がございました場合は交代させていただくケースもございます。
訪問歯科を迎える側(自宅家族や施設)は何か準備しておくことはございますか?
うがいのための水場や診療機器の電源をお借りする必要はございますが、それ以外は特に必要設備などはございません。事務的なものとして、保険証のコピーを最初にご用意してお待ちいただければスムーズです。治療時は、スタッフのみで問題ございませんのでご安心ください。
歯科医師は何名で対応しているのでしょうか?
歯科医師については1名体制です。訪問歯科自体は、歯科医師、歯科衛生士、コーディネーターの3名で構成されています。