保証
インプラント体:10年保証、上部構造体(人工歯):5年保証で安心
インプラントを安心して長期利用していただくために、当院ではインプラント体に10年、上部構造体(人工歯)に5年の保証制度を設けています。
こちらは当院でインプラント治療をお受けいただいた患者さまに対してお付けしているもので、たとえば埋め込んだインプラント体が脱落してしまうような出来事が生じた際は、再度インプラント体を埋入させていただくといった保証内容になっています。保証プログラムをお受けいただくためには、次のように条件がございますので予めご確認ください。
保証プログラムをお受けいただくための条件
当院では、インプラント保証制度の適用に際し、「1ヶ月に1度の定期検診へのご参加」を必須のものとさせていただいております。また、下記のような場合には保証期間内であっても再治療や修理費用が有償になります。予めご了承ください。
患者さまご自身の不注意などによる外傷で生じた不具合
当院のお願いした定期検診をお受けいただけていない場合のトラブル
全身疾患など、元々お持ちの持病がインプラントの不具合を引き起こしている場合
保証プログラムを設けていることの意義
当院のインプラント保証制度は、高額な治療費をお支払いいただく患者さまがその費用負担に対する安心材料をお持ちいただくために設けたものです。
「すぐにダメになってしまったらお金が無駄になってしまうのでは?」といったお声や、「金額の割に安心材料がなくリスクが高い…」といった声を払拭できるもので、同時に当院のインプラント治療の品質への自信を表明するものでもあります。
この保証制度に対する責務を全うするため、月に1度の定期検診を必須のものとさせていただき、専門家による状態確認と、プロの手によるお口環境のメンテナンスを行なわせていただきます。
このような術後ケアを整えることで、インプラント治療を「容易には駄目にならない価値ある治療」というレベルにまで高めさせていただいております。もちろん、ご懸念の声が聞かれるように、インプラントは付ければ終わりという治療ではありません。
メンテナンスが不十分な状態が続くと、歯の歯周病に似た症状「インプラント周囲炎」をもたらしてしまいます。最悪のケースでは、顎骨に結合したはずのインプラント体が脱落してしまうといった症状ももたらされてしまいます。このため、定期検診を必須化させることでこのようなリスクを封じ込め、いつまでも快適にご使用いただけるように配慮しています。
術後ケア
セルフケアとプロフェッショナルケアでインプラントが長期維持されます!
インプラントを永続的にご使用いただくためには、ご家庭での適切なブラッシング習慣と、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
これは、ケアやメンテナンスを怠ってしまうと、インプラントの周辺組織で歯垢や歯石がたまり、インプラント自体にも炎症をもたらしてしまうためです。歯槽骨に結合しているインプラントであっても、メンテナンスが滞ると容易にインプラント体の脱落が引き起こされてしまいます。
当院では、インプラント治療を終えた患者さまに対し、正しいブラッシング習慣をお作りいただくために、お口環境のスペシャリスト歯科衛生士が「ブラッシング指導」を実施させていただきます。患者さま一人ひとりのお口環境の特徴を把握し、プロ目線でどのようなブラッシングを心がけるべきかを詳しくご案内させていただきます。
これに加え、「月に1度の定期検診」にお越しいただき、インプラントの状態確認や噛み合わせチェックを行ない、歯のクリーニングを実施して取り残していた歯垢や歯石を徹底的に除去させていただきます。自宅でのセルフケアの強化、歯科医院でのプロフェッショナルケアの両輪によって、インプラントをいつまでもお使いいただけるようにサポートさせていただきます。
インプラントをいつまでも快適にご使用いただくために
インプラント周囲炎についてお知りください
インプラント周囲炎とは、埋め込んんだインプラント体(人工歯根部)とその上に接続されているアバットメント(接続パーツ)の間で炎症が起こる症状です。
これはちょうど歯茎の中で炎症が進行していく一般の歯の歯周病と似た症状と言えます。ただし、一般の歯周病と比べて「インプラント周囲炎」はその進行度合いが速く、短期間で炎症が一気に歯槽骨にまで広がってしまう可能性もあります。症状が進行した場合、骨の吸収が起こり埋め込んだはずのインプラント体が脱落してしまうケースもあります。
インプラント周囲炎をもたらす要因
細菌感染
不十分なブラッシングやメンテナンスの不行き届きがあると、インプラントの周辺には歯垢や歯石の蓄積が起こります。歯垢や歯石は細菌を繁殖させ、この細菌が毒素を放出し、インプラントの周辺組織で炎症をもたらしてしまいます。
大きな圧力
天然の歯には「歯根膜」と呼ばれるクッションのような役割を果たす組織がありますが、インプラントにはこれがありません。このため噛み込んだ際に、歯の微妙な沈み込みがなく、噛む圧力は直接人工歯から歯槽骨にまで伝わります。通常のお食事などで強く噛む程度では問題が生じませんが、日常的な歯ぎしりや常に食いしばるような悪癖をお持ちの場合、持続的に加えられる圧力が埋め込んだインプラント体や歯槽骨に炎症をもたらす可能性もあります。
ケアやメンテナンスがインプラント持続の鍵!
インプラントは、顎骨に直接ボルトを埋め込んでいるものに過ぎないということから、天然歯と比較した場合の炎症に対する抵抗力が非常に低くなっています。
言葉を換えれば、インプラントはインプラント自体を保つための養分を毛細血管などを通じて内部から受け取れない構造になっているということです。このため抵抗力の低さは「外側からのアプローチ」で補う必要があります。このような事情から、普段のお手入れの際は通常のブラッシング以上に丁寧なセルフケアを心がけることが求められます。
当院では、術後に歯科衛生士が適切なブラッシングのあり方をご案内いたしますので、効果的なメンテナンス法をマスターしていただければと思います。
また、定期検診では歯垢や歯石の徹底的な除去(歯のクリーニング)を行ないますので、必ず定期的にご来院いただきますようお願い申し上げます。取り戻した「噛める喜び」は、ケアを意識していただくことで継続するものであるということを、強く意識していただければ幸いです。
噛み合わせの調整も大切
インプラントの維持に影響を与えるものの中には、「噛み合わせの悪さ」や「歯ぎしり習慣」なども考えられます。当院では術後に噛み合わせチェックなどを実施していますが、ご自宅に戻られてご使用いただく中で噛み合わせがおかしいとお感じになった際は、すぐに当院へご連絡ください。これまでの臨床データによると、インプラント治療を受けてから1年間症状が安定していると、9割以上のケースでその後7年間は安定するとの報告もあります。このため、特に術後1年間のセルフケアやメンテナンスを入念に行なっていただければと思います。